おーたさんです。
最強のパワーリスナー、
串崎さんが選んだベストオンエア13、佳境に入ってきました。
赤字は串崎さんのコメントです。
10. 2021/8/30
毎年8月の第4週は恒例、故郷・岡山に関するトーク。おーたさんの原点は、幼稚園のときにペレス・プラード楽団を聴きに行きたかった話。
「me+」の頃から8月の最終週は自分の誕生日に絡めて、自分語りをしていました。
失笑ものの思い出話のオンパレードで、またよく似たような話が毎回出てきたものですが、思い出話というのはそういうものなんでしょうね。
この時は、ペレス・プラード楽団の来日公演のテレビCMを見た当時幼稚園児だった自分が行きたいと親にせがんだものの却下されてしまったという話から、
なぜか本家(ダマソ)ペレス・プラードではなく、弟のパンタレオン・ペレス・プラードの音源を紹介するという非常にややこしい脱線ぶりでした。
アメリカで大成功を収め世界に行った兄とは流石に違うシマ(ヨーロッパ)で「マンボ王」を名乗っていたそうですが、それが原因で(?)兄から訴えられたりもしたそうです。
音楽的には兄よりもパンチの効いているところもあって、決して兄の成功に安易に乗っかったシノギをしていたわけではないように思えますが、まあ、同じ名字(ペレス・プラード)で「マンボ王」を名乗ると、いろいろと紛らわしくはありますね。ひょっとすると、それでお兄さんの方が不利益を被ったことがあるのかも知れない、と想像したりもします。
パンタレオン・ペレス・プラードが70年代にイタリアで録音したアルバムは、ディスコやソウルミュージックの感覚も取り入れたもので、たしかにクラブでかかるとアガりそうな感じです。
一方、ダマソ・ペレス・プラードも80年代にディスコ調のナンバーを録音しているのを聴いたことがあります。
こちらはちょうど、ハープシコードとディスコビートを組み合わせて日本やアメリカで流行っていたポール・モーリア楽団に寄せた感じのものだったりで、正直、ちょっとらしくないな、という気もしました。
ペレス・プラード楽団の「オリーブの首飾り」(「ウー!」入り)ってどうなんだ。
そして、親から却下されたペレス・プラード楽団から十数年経ち、再び自らの意志で倉敷市民会館にチャレンジして、やっぱり見ることができなかったあの人、そして、大学に入ってから来日公演のアナウンスに心ときめかせたあの人など、数々の悔しい思いをここで一気に吐き出したオンエアでした。
会いたい人には、会える時に無理してでも会っておいたほうがいいな、と改めて思わされます。
11. 2021/10/4
リモート収録
JAM TRIPシリーズ「ルパン三世」(石川晶とカウント・バッファローズ)特集。80年代のアニメ・ジャズが懐かしい。この後も「うる星やつら」「マクロス」を特集。
(おーたかずおより)
かつて串崎さんと一緒にジャズを語り合っていた頃にリリースされた盤で、串崎さんも特別懐かしい思いを抱かれたことだと思います。
ジャズだなんだと言ってつるんでいると、その仲間には入らなくても影響を受ける人が幾人か出てくるもので、渡辺貞夫さんやMALTAさんの当時自分は買わなかったレコードやCDを買ったと自慢する同級生と、自分の手持ちのものを録音したテープを交換したりした記憶があります。
平成に「アニジャズ」が盛り上がったことがありますが(多分エヴァンゲリオンあたりから?)、それにさきだつ昭和の「JAM TRIPシリーズ」は、まさに当時のトップクラスのジャズ系スタジオミュージシャン一覧のような感じで、今見れば、「わ!この人も!」というような方の名前を見つけることができます。
日本コロムビアでは「JAM TRIPシリーズ」に先行して、アニメやコミックスの世界をシンセサイザーで音楽作品化するというコンセプトで「DIGITAL TRIPシリーズ」がリリースされていました。
「さよなら銀河鉄道999」「六神合体ゴッドマーズ」「機動戦士ガンダム」「ブッダ」などの作品をテーマに、東海林修、伊藤詳、深町純、越部信義といった錚々たる方々が作品を提供していました。
番組で紹介した「ルパン三世」「うる星やつら」「マクロス」はシリーズ初期に制作されたもので、
「ルパン三世」「マクロス」は石川晶とカウントバッファローズ、「うる星やつら」は猪俣猛とサウンドリミテッドが演奏を担当しており、「うる星やつら」はその後もシリーズで何作か続編が作られていました。この後も、「JAM TRIPシリーズ」は覚えている限りだと、高橋達也と東京ユニオン、大徳俊幸、北島直樹、土岐英史、美野春樹といった方々をリーダーに編成したグループによって制作されていきました。
自分が当時初期の作品を数点聴いた限りでは、アニメの曲で遊び倒すというよりも、原曲のイメージをしっかりと踏まえた上できっちりとしたアレンジがしてあって、現代の感覚だと非常に生真面目な感じもします。
もっとも自分が聴いたのはいずれもベテランの方々によるもので、当時の新進気鋭と言われる方が作ったアルバムではもっと実験的な試みが盛り込まれていたのかもしれません。
ジャズにあまり親しみのないファンが聴くということも想定された上で、
当時一流の方々が端正なジャズ作品に仕上げようと腐心されたことがうかがわれます。
リリース元の日本コロムビアでは、
かつてリリースされた「JAM TRIP シリーズ」から25曲を選んで配信限定のベスト盤として販売しています。
次回でベストオンエア13回が揃います。